理科実験教室その2

 7月4日に船橋市立金杉台小学校にて「空気がなくてもロケットが飛ぶ?〜宇宙で燃えるひみつ〜」と題した理科実験教室を再度実施しました。今回は小学校6年生向けで、2クラス同時に行いました。空気が無い宇宙で何故ロケットは燃えながら飛んでいるのかをパワーポイントを使って分かりやすく説明し、空気、酸素、二酸化炭素の中での線香の燃え方の実験を通して、体験しながらそれを確かめて貰いました。そして授業終盤のセーフティーロケット マーキュリーを使ったロケット打ち上げ体験では、子供達が先を争って発射ボタンを押したり、ロケットを回収したりと、大興奮の内に幕を閉じました。帰り際にある児童が「宇宙飛行士を目指したい!」と言っていたのが強く印象に残っています。宇宙開発に興味を持ってくれる子供達がもっともっと増えるように、これからも機会を見つけて理科実験教室の活動を継続していきたいと思っています。

日本ロケット協会2008年度年次総会出席報告

 6/30に東京大学山上会館で開催されました日本ロケット協会2008年度年次総会に出席して来ました。その中で印象に残った内容を簡単にご報告します。

冒頭の村上会長のご挨拶の中で、各国の宇宙開発の実力(評価)についての話があり、昔は日本は米露欧に次ぐ4位でしたが、最近は米露中欧印加に次ぐ7位に転落しているそうです。宇宙開発に携わっている者の1人として嘆かわしい限りです。何とかしなければとの思いを新たにしました。

第3回宇宙旅行シンポジウムを来年3月頃に開催することがほぼ決まったそうです。今から楽しみです。(参考:第2回宇宙旅行シンポジウム

特別講演として三菱重工業の浅田正一郎氏より「H-IIAによる商業衛星打上げサービスへの取り組み」(参考:H-IIA LAUNCH SERVICES)と題した発表がありました。世界の衛星打上げ需要はここ数年毎年20機前後であり、その中で受注を獲得するのは至難の技とのことです。H-IIAの主な弱点は、打上げ実績が少ないこと、漁業等との競合で打ち上げ時期が限られること、衛星を空輸できないことの3つだそうです。厳しい状況ですが、H-IIAは打上げ成功率が92.3%と高く保険料率がアリアンロケットの次に低いと言う高信頼性の長所も持っているので、何とか受注を獲得して民間宇宙産業の発展に弾みを付けてくれることを祈ります。

専門学校での宇宙開発概論講義

東京テクノロジーコミュニケーション専門学校に今年の4月から新たに設置された人工衛星工学専攻の授業科目「宇宙開発概論」の1コマを任されまして、6/28(土)に「生命維持と宇宙居住」の授業を行いました。内容としては、生命維持システム、閉鎖生態系生命維持システム(CELSS)、宇宙居住の場、テラフォーミング、恒星間有人探査、地球環境へのアプローチについての概要を講義しました。忘れ掛けていいること、記憶があやふやなことも多く準備にかなりの時間を要しましたが、この分野を総点検する良い機会になったと思います。また、学生からいろいろと質問が出て答えられなかったものもあるので、持ち帰り調査し回答しました。それらを反映してよりよい講義資料にし、来年も講義できればと思います。尚、この資料は社員教育にも使えそうです。今後もお声が掛かれば、他の分野の講義にも挑戦したいと思います。

日本大学理工学部航空宇宙工学科創設30周年

日本大学理工学部航空宇宙工学科創設30周年記念行事が6/21(土)に船橋キャンパスで行われました。その前身である機械工学科航空専修コース(1期生は1956年卒)、航空宇宙工学コースの卒業生の方々を含めて約300人が参集し、大盛況の会でした。記念式典ではGHクラフト社の櫻井氏より「都市型小型風力発電機の開発」、学科教授の宮崎先生より「超小型人工衛星を用いた大学での研究・教育のこれから」と題した講演が行なわれ、その後、施設見学なども行われ、最後は懇親会でした。懇親会では学生時代の思い出、同級生、先輩、後輩の近況、最近の航空宇宙業界など話は尽きず、あっという間に過ぎた1日となりました。次回は35周年となりますが、今年中に卒業生の会員管理システムが導入される予定なため、同窓会がもっと頻繁に行われるようになればと思います。