月へ再び

_ 最近、月の話題が盛り上がっています。NASAは2018年に人類を再び月に送る計画を発表しました。有人探査船(CEV)と、月着陸船の二つをそれぞれ別のロケットで打ち上げて、地球周回軌道上でドッキングさせて月を目指すこととなるようです。この二つの宇宙船には液化メタンを燃料としたエンジンが搭載されるのですが、それは将来の火星への有人飛行に向けて、火星の大気からメタンを抽出して燃料とすることを見据えているからだそうです。

一方では、スペースアドベンチャーズ社から、「DSEアルファ計画」と銘打った「民間人月世界旅行」(月の裏側への飛行)が発売されました。月面・火星基地に関する研究を行っていた私としましては、「いよいよここまで来たか」と言う感慨が有りますが、日本の現状を見ると、宇宙ステーションに「きぼう(JEM)」もまだドッキングされず、日本人を宇宙に上げる宇宙機も持っていません。是非、JAXAが発表した長期ビジョンが実行され、日本独自の有人宇宙技術が発展することを祈りたいです。

小惑星2004MN4

_ このところ、JAXA/ISASの小惑星探査機「はやぶさ」や彗星探査機「ディープインパクト」と地球近傍の惑星間空間の探査機の話題で賑わっています。これらの天体の中には、地球の公転軌道と交わる軌道のものも有ります。この中で、昨年発見された小惑星2004MN4は、地球への衝突の確率が2029年に1/37も有ると騒がれました。さらに詳細な観測が継続された結果、地球には衝突しないことが判明しましたが、2029年の地球への接近で軌道が変更されると、今度は2036年に1/12000の確率で地球に衝突する可能性が有るそうです。もし、地球への衝突回避を今の科学技術力で行おうとしたら、2029年以降では軌道変更に膨大なエネルギーが必要となり極めて困難となるため、2029年以前に2004MN4に原子力発電推進器を設置して軌道を少しずつずらすことが可能なのだそうです。そのためには、遅くとも2014年までにこのミッションをスタートする必要が有るとか。

だから宇宙開発が必要だと短絡的に言えるのものでは無いですが、予防できるものならば、今からでも手を打った方が良いのでは無いでしょうか?

第49回宇宙科学技術連合講演会

_ 今年の11月9日〜11日に開催される第49回宇宙科学技術連合講演会に当社も共同研究で参画しているCELSSに関する発表が有ります。昨年に引き続き、今年も宇宙居住のセッションが有り、宇宙居住研究が少しずつ復活してきていることは嬉しい限りです。ざっとプログラムを見ると、小型衛星の発表が非常に多いのに驚かされました。北は北海道から南は九州まで、日本全国で機運が盛り上がっているようです。当社が参画している湘南事業家フォーラムの宇宙部会で検討されている小型衛星の発表が無いのは残念ですが、来年は是非発表を行えるように努力して行きたいと考えています。尚、今の所、社員自らの発表は無いのですが、情報収集のために参加を予定しています。