6/30に東京大学山上会館で開催されました日本ロケット協会2008年度年次総会に出席して来ました。その中で印象に残った内容を簡単にご報告します。
冒頭の村上会長のご挨拶の中で、各国の宇宙開発の実力(評価)についての話があり、昔は日本は米露欧に次ぐ4位でしたが、最近は米露中欧印加に次ぐ7位に転落しているそうです。宇宙開発に携わっている者の1人として嘆かわしい限りです。何とかしなければとの思いを新たにしました。
第3回宇宙旅行シンポジウムを来年3月頃に開催することがほぼ決まったそうです。今から楽しみです。(参考:第2回宇宙旅行シンポジウム)
特別講演として三菱重工業の浅田正一郎氏より「H-IIAによる商業衛星打上げサービスへの取り組み」(参考:H-IIA LAUNCH SERVICES)と題した発表がありました。世界の衛星打上げ需要はここ数年毎年20機前後であり、その中で受注を獲得するのは至難の技とのことです。H-IIAの主な弱点は、打上げ実績が少ないこと、漁業等との競合で打ち上げ時期が限られること、衛星を空輸できないことの3つだそうです。厳しい状況ですが、H-IIAは打上げ成功率が92.3%と高く保険料率がアリアンロケットの次に低いと言う高信頼性の長所も持っているので、何とか受注を獲得して民間宇宙産業の発展に弾みを付けてくれることを祈ります。