ロボット研究会は現在、測位航法学会主催のGPS・QZSSロボットカーコンテスト参加に向けた活動をしており、当該コンテストに関する講演も行われることからその情報収集のために測位航法学会全国大会に出席した。
学会発表中、当該コンテスト関連は2件であった。それぞれの概要は以下の通り。
1)GPS・QZSSロボットカーコンテスト2014の総括と2015について・・講演者:入江博樹
コンテスト全体の概要説明と、2015年度大会の紹介。「GPSと向き合う」ことを目的とした、主センサーをGPS受信機としたロボットカーによる競技。屋外でのロボットコンテストとしては、つくばチャレンジに先駆けて開始。当初は学生限定だったが、現在は一般参加可能に枠を広げ実施日も土曜の午後と参加しやすい設定とした。参加の敷居も低い。車体は市販のラジコン機(もちろん無線操縦は厳禁)で良く、制御プログラムも極論すれば、GPSから現在地の情報取得後、目的地まで走行することさえできれば良い。GPS受信機から出力されNMEA(えぬめあ)というテキスト形式データから緯度・経度を切り出せれば良い。
2)GPSロボットカーコンテストの参加における課題とみちびき利用の効果・・講演者:吉田将司
新規参入者の競技完走率が低いことから、参加初心者がぶつかる主な壁は何かの分析。車体の製造及び制御プログラムについては2年もあれば技術習得可能。難所はGPSから受信した測位情報を用いて、目的地に到達したか否かを判定する部分。これについては、そもそも大会前の試験走行時に、目的地として利用可能な精密測位されたポイントが無いという問題があるが(そのため試験走行時に判定処理の正当性を評価できない)、GPS以外に準天頂衛星(みちびき)の情報を使用することで判定処理の精度を上げることができることを確認できたため、みちびき対応受信機により精度向上を期待できる。
所感:昨年のコンテスト見学時、学生参加がほとんどだったことから、どちらかというと学生向けイベント(一般参加は好まれない?)かと考えていたが、主催者側としては一般参加歓迎ということがわかった。また、学生は(少なくとも上記2の講演者所属の高等専門学校では)測位情報を用いた判定処理を考えるより車体製造の方に興味があるとのこと。上記から当社の参加は(一般参加かつソフトウェア重視という点で)、主催者側からは、注目されるであろうと感じた。
※大会参加受付後、各チームへの取材があるらしいです。
(記 徳田)