ワイヤレステクノロジーパーク2016参加報告

測位に関する情報収集を目的としてワイヤレステクノロジーパーク2016に参加した。ワイヤレステクノロジーパークは、無線通信技術の研究開発に焦点を当てた「展示会」「セミナー」「アカデミアセッション」で構成される国内最大級のワイヤレス専門イベントで、今回はじめて参加した。

 展示会全体としては地上における無線技術がほとんどでIoTや5Gの展示ブースが多かった。

  測位に関してはGPSおよびQZSS(準天頂衛星システム)のハードウェアに関する出展であった。測位衛星からの擬似信号を生成するSDR- SAT(ハードウェア)と衛星測位分析ツール(GPS-STUDIO(ソフトウェア))を使用することで現地に行かずに測位誤差がわかるシステムには興味 を持った。

 また、衛星を使用した屋外測位の他にビーコンを使用した屋内測位の関心が高まっているようであった。屋内測位の利用方法として は単純に駅や地下街 における位置情報の提供だけではなく、工場等で人の位置を測位することでその人の仕事の内容を把握/管理することを目的として実用化されているらしく、そ のような利用方法があるということに驚かされた。

 屋内測位に関して新宿駅をダンジョンと捉えて「屋内測位は重要です。日本人が迷うのだから外国人は必ず迷います。従って東京オリンピックまでに屋内測位の整備が必要です。」との講演には納得させられた。

(記 坂口)

ワイヤレステクノロジーパーク参加報告

測位を足掛かりとして新規事業、研究開発アイディア捻出のための情報収集目的でワイヤレステクノロジーパークに参加してきました。
①NICT ワイヤレスネットワーク研究所
鹿島にある研究所によるブースで、9種類前後研究展示の題材がありました。
手元資料は作成していなかったですが、丁度久保岡先生が軌道決定について展示していたので、話を聞くことができました。
展示内容は光学観測による低軌道・静止衛星の軌道決定でした。
また大坪先生と軌道決定ツールのconcertについても少し話を聞くことができました。
GPSによる軌道決定の他、SLR、VLBI観測にも対応し、反射鏡を持つ衛星で実際に利用されたそうです。
具体名としてあじさいを教えていただけました。
その他として小型無人機によるワイヤレス中継、WINDS衛星による世界最高速3.2Gbps広帯域伝送などの展示がありました。
②測位・位置情報の最新技術
準天頂によるサービスの紹介・及び各種企業と大学による屋内測位のアプローチの展示でした。
屋内測位は今は色々な企業が色々な事をやっているといった状況のようです。今後統一されていくのだと思いますが、アプローチとしては基本的にはどこも相対測位で、屋内に基準点を設置して、相対的な位置で測位をするようです。その中に各団体のオリジナリティがあるようで、残留磁気による推定や、基準点に国土地理院の認証をもらう事で高信頼性をアピールしたり、スマフォの手の動きによるブレを補正して高精度測位を目指したり、と色々なアプローチがあるようです。
③コスモリサーチ
信号処理、無線機器の開発を自社完結しており、共同研究、開発を随時募集しているそうです。
さらに納入実績がNICT、JAXA、国立天文台、NHK放送技研という面々だったので、軌道決定やGPS信号の補正についての話を伺いました。
VLBIの観測機器のハード開発をした経験があり、はやぶさ2の位置決定に使われたそうです。
手法としては大型パラポラを使った地球の二観測点からの三角測量だそうです。
その際の大気圏、電離圏、マルチパス他の遅延については昔はハードでやっていたけど、現時点ではソフト処理をしているとの事です。
(記 大熊)

2014生態工学会年次大会参加報告

2014生態工学会年次大会参加報告
2014年6月27日~28日に沼津で開催された2014生態工学会年次大会に参加しましたのでご報告します。
・ビームダウン式太陽集光装置を用いたソーラー水素生成反応における反応場増大に関する研究
宮崎大学の金子先生の発表です。
金属酸化物と集光太陽熱による二段階水分解反応では高効率のソーラー水素生産が期待できるのですが、試料表面からの酸素放出が二段階水分解反応全体の律速となります。
そこで、試料表面に微細加工を施し、高温環境下における経時変化の評価と二段階水分解反応特性評価を目指しているという事でした。
高温環境を作り出すビームダウン式太陽集光装置は中々大掛かりなものでして、88基のヘリオスタットと呼ばれるミラーと高さ16mのタワーで構成されています。
ヘリオスタットで太陽光をタワー上部に設置された楕円鏡の第1焦点に集光、反射し、楕円鏡の第2焦点で再度集光します。第2焦点を通過した光はMSCと呼ばれる装置内で濃縮され、MSC出口では高温の熱エネルギーを発生するという仕掛けです。
ビームダウン式太陽集光装置は、まだテスト段階という事でしたが、反応基板に置かれた金属を短時間でどろどろに溶かしてしまうのは衝撃でした。
大浦は宮崎大学のOBでして、M2の夏にこのビームダウン式太陽集光装置ができ、指導教官も少しこのプロジェクトに携わっていて、少し気になっていたプロジェクトでしたので紹介しました。
太陽光発電は、既に家庭にも普及して久しいですが、太陽の熱エネルギー利用は未だ開拓の余地がありそうで面白そうです。
ちなみにこのプロジェクトは望遠鏡等で有名な三鷹光器が関わっています。
・生命維持技術に関するISSを用いた技術実証
JAXAの桜井先生の発表です。
現在、JAXAで開発中の水分解装置等の生命維持技術プロジェクト経過報告でした。
現在のISSの生命維持技術はアメリカやロシアによるもので、今後、日本が有人宇宙活動を目指すためにも、生命維持の要素技術を確立したいとの事でした。
・不要ガス除去装置仮想実証試験
JAXAの大西先生の発表です。
有人宇宙活動で必要不可欠な装置の一つである不要ガス(CO2、水蒸気)除去装置の実証試験の前段階として数値解析プログラムを用いた仮想実証試験報告でした。
この不要ガス除去装置は活性炭を使用しており、活性炭の寿命は考慮しているのかという質問が出ましたが、今回のシミュレーションでは活性炭の効果が薄れるところまでは走らせていないので、考慮不要との事でしたが今後の課題ではあるとの事です。
最後に我々のポスターセッションですが、残念ながら反響が少なったです。
他の発表者に比べて、内容そのものに新しさ・凄さ・利点、又は表現の工夫が弱かったからではないかと思っております。
今回のポスターについて反省し、第58回宇宙科学技術連合講演会に向けてECLSS研究会活動を頑張って行くつもりです。
(報告:大浦 智史)

第57回日本宇宙航空環境医学会大会 公開シンポジウム参加報告

このシンポジウムでは、宇宙医学をテーマに宇宙開発や宇宙実験を社会とどう結びつけて行くかという議論がJAXAと日本宇宙航空環境医学会の共催で行われました。今回、公開シンポジウムということで一般参加者として参加してきました。
まず、第1部では今までの実験や研究をもとにこれらの成果をどう社会に還元できるのかが主な話題でした。
・宇宙飛行士の睡眠と現代社会の睡眠事情
・宇宙での骨密度の低下と骨粗鬆症
・人工衛星による遠隔医療と無医師地域
など、現代の社会問題が宇宙環境を利用することによって解決していこうという内容でした。
第2部の毛利さんのお話では、
これまでの科学技術や研究によってあらゆるものがつながりを持って存在しているということがわかった。
生命の持続性の原動力とは、生きる可能性が高まること、そして次世代につなげることである。
ゆえに、宇宙開発とはその1ステップであり、地球ありきの宇宙開発というものを我々は進めて行くべきである。
と哲学的に語っておられました。来月、本[宇宙から学ぶ――ユニバソロジのすすめ (岩波新書)]を出版されるそうなので、興味のある方はどうぞ。
第3部は、JAXAが行っている「きぼう利用フォーラム」という企画の中で、採択された企画の説明を各企業が行いました。ここでも高齢社会と宇宙開発を結びつけた内容が多かったように感じます。
全体として、日本の社会問題を課題にして宇宙医学を応用させよう、特に、高齢社会で役に立つような研究開発を進めて行こうという流れが見受けられました。その中でも、遠隔医療技術はこれからの進歩と拡大が期待できそうだと思いました。
<参考資料>
http://iss.jaxa.jp/topics/2011/11/57medical.html
http://kiboforum.jaxa.jp/
(報告:森山 枝里子)

WLSJエンジニアイベントvol.0参加報告

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WLSJエンジニアイベントvol.0
日程:2011/10/11(火)
場所:産業技術総合研究所 臨海副都心センター
参加:扇 (イベント参加総数 20名弱)
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 8/29WLSローバープロトタイプ記者発表を終え、実際のフライトモデルの製作に向けた活動の一貫として、本イベントは開催されました。
 このイベントは、ローバーのフライトモデルをどういった体制で製作するかについてのブレインストーミングが主な内容でした(大まかな体制はWLSJコアメンバーが考案済み)。
 今後のローバー製作は、プロトタイプを製作した東北大学宇宙ロボット研究室が製作するのではなく、新たに東京でWLSJ技術ユニットを結成し、そのWLSJ技術ユニットが実際に月に着陸するフライトモデルを製作する方針のようです。
 私の所感では、結成初期の段階でフライトモデルを製作できるスキルを持った人材を集めることは困難である為、結成初期メンバーはWLSに賛同する情熱ある若手が中心となるのではないかと思われます。 その為、情熱次第では月ローバー製作に参加することが可能のように思います。また、ローバー技術はOPENとなっている為、ローバーについてのノウハウを蓄積するチャンスでもあると思います。
<参考>
Google Lunar X prize
WLS(White Label Space)
WLSJ(White Label Space Japan)
(報告者:扇拓矢)