科学技術計算研究会について

科学技術計算研究会では地球観測衛星を運用するうえでの観測計画の 立案について、数値計算シミュレーションのソフトウェアを研究開発することで、 より高度で効率的な運用ができることを目指しています。

  1. 軌道決定

    人工衛星の軌道を計算推定するためには、衛星がいつ、どこにいたか、という 初期位置の情報が必要となります。この初期位置の情報をGPSなどの観測データから 予測する技術を軌道決定と呼び、より高度な軌道決定のための研究を進めています。

  2. 軌道伝搬推定

    初期値を定めた後に衛星が今後いつ、どこを飛んでいくかという、未来の 軌道について予測することを軌道推定と呼びます。衛星の軌道には地球の 重力場の偏りや、大気抵抗、太陽輻射圧など、様々な要因が絡んできますので、 それらを考慮した高精度な軌道推定を目指しています。

    軌道推定例の軌跡
  3. イベント予測

    推定した軌道をもとに、衛星が地上局と通信できるのはいつなのか、センサの 校正タイミングはいつなのか、など運用に関わるイベントの発生時刻を予測する 技術をイベント予測と呼び、より多くの衛星に対応した、多種類のイベントの予測を実現します。

    衛星軌道の直下点軌跡の例
  4. 最適化立案

    推定した軌道をもとに衛星がいつ、どこを観測できるかをシミュレーションして、 どのような観測計画を立てればもっとも効率的に多くの写真が撮影できるかを 自動で最適化するアルゴリズム技術の研究を進めています。

    複数軌道による観測例
    シミュレーション立体図例

過去のライブラリ開発実績

※全てJavaによるライブラリとしての開発

ロボット研究会活動報告 6/12(日)

ロボット研究会の活動を実施しました。今回は以下の点に関して議論しました。

  1. ロボットカーコンテストについて

    (議題)

    今年のロボットカーコンテスト(GPS・QZSSロボットカーコンテスト2016)はレギュレーションが変更となり、課題2(QZSSスクランブル)が無くなった。代わりに、新課題2(QZSSアプリコンテスト)が開催される。ロボットカーコンテストへの参加をどうするか?

    (結論)

    課題1(ダブルパイロン)には参加する。ダブルパイロンとは、ロボットカーが8の字型のコースを周回することで得られる得点を競い合う競技のことである。新課題2は、時間に余裕があれば希望者のみ参加する。

  2. ドローン開発について

    (議題)

    当初、ロボットカーコンテストにドローンでの参加を検討していたが、今年はドローンは禁止となった。ドローンの開発は、何を目標とするか?

    (結論)

    10月にある「江戸・TOKYO 技とテクノの融合展」に出展することは変更がないので、開発は継続する。その上で、具体的なコンテスト等があれば参加を目指す。

  3. ロボットカーコンテスト用の屋外試験について

    (議題)

    6月末に実施可能か?

    (結論)

    ソフトウェアの変更が間に合っていない、試験項目が未作成であるため、6月末には実施しない。

ワイヤレステクノロジーパーク2016参加報告

測位に関する情報収集を目的としてワイヤレステクノロジーパーク2016に参加した。ワイヤレステクノロジーパークは、無線通信技術の研究開発に焦点を当てた「展示会」「セミナー」「アカデミアセッション」で構成される国内最大級のワイヤレス専門イベントで、今回はじめて参加した。

 展示会全体としては地上における無線技術がほとんどでIoTや5Gの展示ブースが多かった。

  測位に関してはGPSおよびQZSS(準天頂衛星システム)のハードウェアに関する出展であった。測位衛星からの擬似信号を生成するSDR- SAT(ハードウェア)と衛星測位分析ツール(GPS-STUDIO(ソフトウェア))を使用することで現地に行かずに測位誤差がわかるシステムには興味 を持った。

 また、衛星を使用した屋外測位の他にビーコンを使用した屋内測位の関心が高まっているようであった。屋内測位の利用方法として は単純に駅や地下街 における位置情報の提供だけではなく、工場等で人の位置を測位することでその人の仕事の内容を把握/管理することを目的として実用化されているらしく、そ のような利用方法があるということに驚かされた。

 屋内測位に関して新宿駅をダンジョンと捉えて「屋内測位は重要です。日本人が迷うのだから外国人は必ず迷います。従って東京オリンピックまでに屋内測位の整備が必要です。」との講演には納得させられた。

(記 坂口)