ワイヤレステクノロジーパーク参加報告

測位を足掛かりとして新規事業、研究開発アイディア捻出のための情報収集目的でワイヤレステクノロジーパークに参加してきました。
①NICT ワイヤレスネットワーク研究所
鹿島にある研究所によるブースで、9種類前後研究展示の題材がありました。
手元資料は作成していなかったですが、丁度久保岡先生が軌道決定について展示していたので、話を聞くことができました。
展示内容は光学観測による低軌道・静止衛星の軌道決定でした。
また大坪先生と軌道決定ツールのconcertについても少し話を聞くことができました。
GPSによる軌道決定の他、SLR、VLBI観測にも対応し、反射鏡を持つ衛星で実際に利用されたそうです。
具体名としてあじさいを教えていただけました。
その他として小型無人機によるワイヤレス中継、WINDS衛星による世界最高速3.2Gbps広帯域伝送などの展示がありました。
②測位・位置情報の最新技術
準天頂によるサービスの紹介・及び各種企業と大学による屋内測位のアプローチの展示でした。
屋内測位は今は色々な企業が色々な事をやっているといった状況のようです。今後統一されていくのだと思いますが、アプローチとしては基本的にはどこも相対測位で、屋内に基準点を設置して、相対的な位置で測位をするようです。その中に各団体のオリジナリティがあるようで、残留磁気による推定や、基準点に国土地理院の認証をもらう事で高信頼性をアピールしたり、スマフォの手の動きによるブレを補正して高精度測位を目指したり、と色々なアプローチがあるようです。
③コスモリサーチ
信号処理、無線機器の開発を自社完結しており、共同研究、開発を随時募集しているそうです。
さらに納入実績がNICT、JAXA、国立天文台、NHK放送技研という面々だったので、軌道決定やGPS信号の補正についての話を伺いました。
VLBIの観測機器のハード開発をした経験があり、はやぶさ2の位置決定に使われたそうです。
手法としては大型パラポラを使った地球の二観測点からの三角測量だそうです。
その際の大気圏、電離圏、マルチパス他の遅延については昔はハードでやっていたけど、現時点ではソフト処理をしているとの事です。
(記 大熊)

測位航法学会全国大会 参加報告

ロボット研究会は現在、測位航法学会主催のGPS・QZSSロボットカーコンテスト参加に向けた活動をしており、当該コンテストに関する講演も行われることからその情報収集のために測位航法学会全国大会に出席した。
学会発表中、当該コンテスト関連は2件であった。それぞれの概要は以下の通り。
1)GPS・QZSSロボットカーコンテスト2014の総括と2015について・・講演者:入江博樹
コンテスト全体の概要説明と、2015年度大会の紹介。「GPSと向き合う」ことを目的とした、主センサーをGPS受信機としたロボットカーによる競技。屋外でのロボットコンテストとしては、つくばチャレンジに先駆けて開始。当初は学生限定だったが、現在は一般参加可能に枠を広げ実施日も土曜の午後と参加しやすい設定とした。参加の敷居も低い。車体は市販のラジコン機(もちろん無線操縦は厳禁)で良く、制御プログラムも極論すれば、GPSから現在地の情報取得後、目的地まで走行することさえできれば良い。GPS受信機から出力されNMEA(えぬめあ)というテキスト形式データから緯度・経度を切り出せれば良い。
2)GPSロボットカーコンテストの参加における課題とみちびき利用の効果・・講演者:吉田将司
新規参入者の競技完走率が低いことから、参加初心者がぶつかる主な壁は何かの分析。車体の製造及び制御プログラムについては2年もあれば技術習得可能。難所はGPSから受信した測位情報を用いて、目的地に到達したか否かを判定する部分。これについては、そもそも大会前の試験走行時に、目的地として利用可能な精密測位されたポイントが無いという問題があるが(そのため試験走行時に判定処理の正当性を評価できない)、GPS以外に準天頂衛星(みちびき)の情報を使用することで判定処理の精度を上げることができることを確認できたため、みちびき対応受信機により精度向上を期待できる。
所感:昨年のコンテスト見学時、学生参加がほとんどだったことから、どちらかというと学生向けイベント(一般参加は好まれない?)かと考えていたが、主催者側としては一般参加歓迎ということがわかった。また、学生は(少なくとも上記2の講演者所属の高等専門学校では)測位情報を用いた判定処理を考えるより車体製造の方に興味があるとのこと。上記から当社の参加は(一般参加かつソフトウェア重視という点で)、主催者側からは、注目されるであろうと感じた。
※大会参加受付後、各チームへの取材があるらしいです。
(記 徳田)