2014年度社員旅行レポート

8月22,23日に社員旅行へ行ってきました。
2年半ぶり2回目!今回の目的地は、長野は野辺山の国立天文台です。
23日は年に1回の特別公開ということで通常の見学コースに加えて、
45メートル電波望遠鏡や電波へリオグラフの各観測室などを見学できるとのこと。
前日から泊りがけて朝一で乗り込もうという算段です。
というわけで旅行1日目から早起きして
朝8時に自社前に集合し、バスへ乗り込み出発!
1日目の予定は、
1.昼食にお蕎麦を食べ
2.その足で臼田宇宙空間観測所(日本最大のパラボラアンテナ!)を見学し
3.牧場で自然に癒され、ホテル着。
というあらすじだったのですが、なんと高速が完全に通行止めという展開に。
やはり夏休みシーズンは手ごわいです。
急遽予定を変更しコンビニで昼食を確保しつつ(涙)、
2日目に予定していた「明野のひまわり畑」へ面舵を切ります。
自然に囲まれ空気も美味しい!
午前中の無念も吹き飛びました。
とはいえ臼田宇宙観測所はあきらめきれないので
翌日行こうということになり、士気を高めつつホテル着。
温泉と宴会を思う存分堪能し、国立天文台の見学に備え
少し早めの就寝・・・
(エ○ァを見ながらの2次会というのも弊社らしいです。)
2日目、朝食を終えホテル前で記念撮影後すぐさま国立天文台へ。
早く出発したつもりが既にすごい行列。
特別公開だけあって注目度の高さが伺えます。
会場間もなく目当ての45メートル電波望遠鏡に向かったのですが、
そのアンテナは、大きさのせいか近づくまで距離感がよくわからない程。圧巻です。
アンテナの足元には円状のレールが敷かれていて、
方位角を調整するとき遊園地のコーヒーカップみたいに回転するらしいです。
ちなみにアンテナは触らせて貰えました。ご利益ありそうです。
観測室は最新PCから年季を感じさせるラック機材まで
ごった返しており、少年心をくすぐられます。
ブラックホールの成り立ちや宇宙空間内に存在する分子の観測等を行っているそうです。
他にはアンテナを動かす線路なども展示してあり
見応えあるイベントでした。
昼食はイタリアンのお店にしたのですが、木造らしき作りで
店の奥にはミニカーショップがありました。
レトロな店の雰囲気にマッチしたミニカー達でついつい眺めてしまいます。
午後は臼田宇宙空間観測所を見学してから
ワイナリーの見学を、という予定です。
臼田宇宙空間観測所は、小惑星探査機「のぞみ」や「はやぶさ」と通信を行い運用を
支えてきた場所で、冒頭にもこっそり書きましたが
ここには直径64メートル、日本最大のパラボラアンテナがあります。
朝見たアンテナよりさらに大きいです。
その巨大さに半ば茫然と見学していると、なんと・・・アンテナが動いた!
方位角、仰角を調整する瞬間に立ち会ってしまったようです。
これほど巨大な建造物が動くというのは滅多に見られないものだと思います。
ご利益ありました。
感動に打ち震えながらもワイナリーへ向かい
ワインの製造方法などの講演を聴き、魅惑の試飲&購入タイムに。
思い思いの酒を手に、いよいよ帰路です。
ほろ酔い状態の皆を乗せ、バスは自社前に到着し解散。
とても充実した旅行でした。
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【レポート:山上】

インスピレーションマーズミッション国際学生コンペ【優勝!】

2014年8月9日、真夏のヒューストン郊外リーグシティ。
そこに、ヨーロッパ、アジア、アメリカ国内から学生が集まり、
「インスピレーションマーズミッション(*)デザイン国際学生コンペ」の最終選考プレゼンが開催されました。
全38チームのコンペ参加チームから最終選考に残ったのは10チーム。
その中に日米合同チームの「Team Kanau(協)」がありました。
*インスピレーション マーズ ミッション (Inspiration Mars Mission)
世界で初めて自費で宇宙飛行をしたデニス・チトー氏が創設したインスピレーションマーズ財団の提案する有人火星ミッション。
コンペの内容は、
2018年に男女1人ずつを宇宙船にのせて地球から火星へ向かい、
なるべく安くシンプルにそして安全に火星の周りを回って地球に帰還させるというミッションのアイデアコンテスト。
採点項目は軌道決定から乗組員の精神ケアまで、他分野に渡る広い知識と考察が要求されます。
そしてなんと、日米合同チーム「Team Kanau(協)」が見事★★優勝★★し、
賞金1万ドルと優勝トロフィーを手に入れました!!

宇宙博と千葉ビール園

有人ロケット研究会と共催で宇宙博見学イベントと千葉ビール園での懇親会が2014年7月26日に開催されましたので報告します。
■宇宙博
入場して古典的SF、NASAの宇宙開発歴、日本の展示(JAXA)の流れで展示されていた。
過去に開催された宇宙博(’79)を知らない自分としては、NASA宇宙開発時に使用されたものを初めて見る機会となり、レプリカであったとしても興味をもって見ることが出来た。
また、JAXA展示には「きぼう」実物大モデルがあり、いつも会社の全体会議でJEM運用業務従事者から聞いている各種ラックを見ることが出来、イメージを合わせるために見られた意味があったと思う。
他、「いぶき」、「はやぶさ」などの日本の人口衛星の実物大モデルも多数展示されており、ソフト屋としては衛星の大きさや細かな造り(材質なども)を見られたことも勉強となった。
ただ、全体として入場者数の少なさが気になり、淡々と並べられている展示が煮え切らないと感じられた。
真面目な展示物以外に、来場者が参加し操作ができるようなギミックがあれば、来場者が増えるのではないかと思われる。
こちら/の方が魅力的に感じられてしまうのが残念でなりません。
■千葉ビール園
宇宙博見学後、千葉ビール園で懇親会が行われた。
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そこで、サッポロビールの工場脇の船橋港に停泊していた「しらせ」について気になりましたの調べました。
やはり先代の「しらせ」のようです。
現在は、ウェザーニューズ社が所有、同社の「SHIRASE」プロジェクトにより気象観測や小型衛星からの情報受信が行えるように改修され、船名も「しらせ」⇒「SHIRASE」に変更されているようです。
昨年(2013年)までは船内の見学が出来たようですが、残念ながら現在は、休止中だそうです。
[報告:桑原 弘志]

表題:一般社団法人宇宙システム開発利用推進機構 平成25年度成果報告会参加報告

 2014年7月9日に開催されたJSS(一般社団法人宇宙システム開発利用推進機構)平成25年度報告会に参加した。
 当機構は旧USEF(財団法人無人宇宙実験システム研究開発機構)、旧JAROS(財団法人資源探査用観測システム・宇宙環境利用研究開発機構)、旧ERSDAC(財団法人資源・環境観測解析センター)が合併し誕生した機構である。
報告会には200人程度参加していた。
報告会の内容は以下のとおり。
 ・技術開発本部の活動概要
 ・利用技術本部の活動概要
 ・次世代宇宙システムとそのコンステレーションの調査研究
 ・海外人材育成を含めた衛星データ拡大事業活動報告
 ・HISUIセンサ開発概要
 ・衛星画像データの非在来型・ガス資源への利用
 ・太陽光発電無線送受電技術開発の概要
   
所感:
 前進の団体の関係上、鉱床探査とそれに有効と言われているハイパースペクトルセンサ(*1)に関する報告が多かった。
 報告の中で最も興味を引かれたのは超小型衛星に関する報告(次世代宇宙システムと・・・)で、特にSkybox Imagein社(Googleに買収された)のSky Satによる画像であった。
Sky Sat衛星は100kg程度の小型衛星で、分解能が1m以下と報告されている。また、市場の反応を見ながらではあるが、24機まで拡充することを予定している。Sky Sat1号機、2号機は既に打ち上げ、運用されており、画像を見せられた。
 衛星の大きさと比較して驚異的な画像である。
 静止画像だけでなく、動画も撮像可能で、これに至ってはどのように撮像しているのか検討がつかない。(これだけ高分解能で撮像していると光量が足りなくなるように思われるのだか。)
 他にも小型衛星を手がけているメーカが多数報告されていたが、コンステレーションで運用することを前提としていると感じられた。ただ、コンステレーションは単機でも簡単ではない運用を複数機連動させながら運用するため、それを実現するのは相当難しいとも思われた。
 一方、複数の小型衛星を用いて安く、早くミッション遂行/画像提供は世の流れとも考えられるのでコンステレーションでの運用に取り組む必要があると強く感じた。
   
*1:光の波長を小分けにして観測するセンサ。一般的な衛星ののマルチ(カラー)画像はRGB(光の三原色)の3バンドが多い。
 ハイパーは185バンド(HISUI)等、波長の分解能をマルチとは比較にならないほど向上させている。
[報告:坂口 大介]

2014生態工学会年次大会参加報告

2014生態工学会年次大会参加報告
2014年6月27日~28日に沼津で開催された2014生態工学会年次大会に参加しましたのでご報告します。
・ビームダウン式太陽集光装置を用いたソーラー水素生成反応における反応場増大に関する研究
宮崎大学の金子先生の発表です。
金属酸化物と集光太陽熱による二段階水分解反応では高効率のソーラー水素生産が期待できるのですが、試料表面からの酸素放出が二段階水分解反応全体の律速となります。
そこで、試料表面に微細加工を施し、高温環境下における経時変化の評価と二段階水分解反応特性評価を目指しているという事でした。
高温環境を作り出すビームダウン式太陽集光装置は中々大掛かりなものでして、88基のヘリオスタットと呼ばれるミラーと高さ16mのタワーで構成されています。
ヘリオスタットで太陽光をタワー上部に設置された楕円鏡の第1焦点に集光、反射し、楕円鏡の第2焦点で再度集光します。第2焦点を通過した光はMSCと呼ばれる装置内で濃縮され、MSC出口では高温の熱エネルギーを発生するという仕掛けです。
ビームダウン式太陽集光装置は、まだテスト段階という事でしたが、反応基板に置かれた金属を短時間でどろどろに溶かしてしまうのは衝撃でした。
大浦は宮崎大学のOBでして、M2の夏にこのビームダウン式太陽集光装置ができ、指導教官も少しこのプロジェクトに携わっていて、少し気になっていたプロジェクトでしたので紹介しました。
太陽光発電は、既に家庭にも普及して久しいですが、太陽の熱エネルギー利用は未だ開拓の余地がありそうで面白そうです。
ちなみにこのプロジェクトは望遠鏡等で有名な三鷹光器が関わっています。
・生命維持技術に関するISSを用いた技術実証
JAXAの桜井先生の発表です。
現在、JAXAで開発中の水分解装置等の生命維持技術プロジェクト経過報告でした。
現在のISSの生命維持技術はアメリカやロシアによるもので、今後、日本が有人宇宙活動を目指すためにも、生命維持の要素技術を確立したいとの事でした。
・不要ガス除去装置仮想実証試験
JAXAの大西先生の発表です。
有人宇宙活動で必要不可欠な装置の一つである不要ガス(CO2、水蒸気)除去装置の実証試験の前段階として数値解析プログラムを用いた仮想実証試験報告でした。
この不要ガス除去装置は活性炭を使用しており、活性炭の寿命は考慮しているのかという質問が出ましたが、今回のシミュレーションでは活性炭の効果が薄れるところまでは走らせていないので、考慮不要との事でしたが今後の課題ではあるとの事です。
最後に我々のポスターセッションですが、残念ながら反響が少なったです。
他の発表者に比べて、内容そのものに新しさ・凄さ・利点、又は表現の工夫が弱かったからではないかと思っております。
今回のポスターについて反省し、第58回宇宙科学技術連合講演会に向けてECLSS研究会活動を頑張って行くつもりです。
(報告:大浦 智史)