WLSJファンミーティングvol.3参加報告

9/10(日)に東京カルチャーカルチャーで開催されたWLSJファンミーティングvol.3に参加しましたので、ご報告します。
WLSとは、月面をゴールとした世界最大の賞金レースGoogle Lunar X prizeに参加しているチーム、White Label Spaceの略称です。 そして、WLSJapanは、WLSの日本チームのことを指します。
 今回のファンミーティングは、WLSが現在作成している月面車、ローバーのプロトタイプが完成したことに伴い、催されたイベントです。 その為、本イベントのメインはローバーの紹介でした。
 まず、本イベントで紹介されたローバーについて紹介します。
 WLSのローバープロトタイプは、東北大学の吉田教授を中心とする東北大学宇宙ロボット研究室で作成されました。その概要は大きさ55×46×49cm3、重さ8kg(構成物質由来で実車より2kgほど軽量)で、分速10mで走行します。 そして、月のレゴリスでも走行を容易にする為、大直径20cmの車輪を装備し、打ち上げ機への搭載を容易にする為に、折込式の車輪が採用されています。 また、個人的に興味を惹かれたものとしては、追加装備の360°カメラと3次元マッピングを作成する為のレーザーレンジセンサです。プロトタイプには360°カメラの搭載のみが施されていました。 これらの追加装備は、ローバー以外への使い道も考えられ、今後の発展が楽しみです。
次に、本イベントの大まかな流れを報告します。
1. WLSJ代表 袴田氏のプレゼン
 →前回のファンミーティングとは違ったプレゼン内容で、Google Lunar X prizeが催されるまでの経緯が中心でした。
2. WLSJ経営戦略担当 中村氏のプレゼン
 →こちらもニューデザインのプレゼンでした。 新たに追加された情報としては、10月11日に開催されるエンジニアイベントをはじめとする様々なイベントが新たに考案されいるということです。 是非皆さんも参加してみてはどうでしょうか。
3. 東北大学宇宙ロボット研究室 吉田教授の経歴とローバー紹介
4. プロトタイプローバー操縦権剥奪クイズ大会
 今回のファンミーティングは、記者会見後1回目であった為、個人的に大人数の参加を想像していました。 しかし、実際の参加人数は約30人ほどで、以前に参加したファンミーティングとさほど変わらない人数でした。 このことから、記者会見の反響は余りなかったかのように思えたのですが、イベントの途中で、ニコニコ生動画を見ている人が2万人程度もいることを聞いて、多くの人に注目される活動になっていることを実感しました。
(報告者:扇拓矢)

静岡スペースポートイベントのご案内

9/23(金)に静岡県とNPO法人日本宇宙旅行協会(SSTJ)共催により、「富士山静岡空港の将来を描くスペースポート」をテーマに、静岡スペースポートイベントが開催されます。ガンダムの富野監督とJAXA稲谷教授等もゲストで登場しますので皆様ご参加されてはいかがでしょうか?
◆講演会及びパネルディスカッション (島田市民総合施設プラザおおるり)
   ★講演 パトリック・コリンズ氏 テーマ 「民間宇宙旅行時代の到来と世界・日本の動き」
   ★パネリスト
     ・富野 由悠季氏 (アニメーション監督(機動戦士ガンダム 他)
     ・稲谷 芳文氏 (JAXA教授)
     ・高野 忠氏 (日本大学教授、JAXA名誉教授)
     ・パトリック・コリンズ氏 (SSTJ、麻布大学教授、JAXA共同研究員)
     ・秋山 雅弘氏 (株式会社アルモニコス代表取締役、SAT代表幹事)
◆富士山静岡空港にてイメージボードの展示
    静岡スペースポート化のコンセプトとその背景についてのイメージ展示

【ロシア宇宙開発の歴史を訪ねて】ツアーのご紹介

株式会社大陸トラベルさんからご紹介がありまして、有人宇宙関連で下記のツアーが企画されているそうです。

有人宇宙飛行から50年の記念を迎えます今年、JAXA 名誉教授であります、的川先生のご賛同を頂き、ロシア宇宙開発の歴史を訪ねる、特別ツアーを企画致しました。
→【ロシア宇宙開発の歴史を訪ねて

特に興味深かったのが、火星有人飛行をターゲットとした520日間の長期閉鎖実験が行われているロシア医学生物学問題研究所の見学も含まれていることです。(関連記事
宇宙関連施設だけでなく、オプションで美術館等の見学も可能だそうです。
興味のある方は株式会社大陸トラベルさんに問い合わせてみて下さい。
チラシ、旅行条件書を郵送してくれるとのことです。

国際宇宙ステーション利用シンポジウム ~日本の復興・再生に向けた貢献~

これからシンポジウム、講演会参加報告を出来るだけ本ブログにアップして行きたいと思っています。
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国際宇宙ステーション利用シンポジウム
~日本の復興・再生に向けた貢献~
日時:平成23年7月31日
場所:丸ビルホール&コンファレンススクエア(7階ホール)
参加:広崎、扇(記)
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本シンポジウムの内容は、国際宇宙ステーション(ISS)計画と、原発、飛行機、鉄道などの地上システムの安全管理・危機管理の比較についてでした。
安全管理・危機管理の論点は次の三つでした。
これは、どのシステムにおいても共通という認識で、シンポジウムの中心的な話題となっていました。
①情報共有
この目的は、安全確保・危機管理はもちろんのこと、不安の解消もある。情報の未共有は即、人の不安に繋がる為、情報は血液のようにそのシステ内を巡らせることが重要である。
②安全設計
システムの中心的な機器に対しては、安全設計を心がける傾向にあるが、周辺機器にまで安全設計が行き届いて居ないのが現状である。その為に、事故の発生率が高くなっている。
ISSの安全設計では、二つの機器が故障しても、人命が保証できるようにすべての機器を設計しているとのことです。
③リーダーシップ
安全を保証する為に、リーダーシップ並びにフォロアーシップも重要になる。
本シンポジウムで、リーダーシップの例として、
「ジーンクランツ(NASAの伝説のリーダーと称される) 仕事10カ条」が紹介されたので、ここでも紹介しておきます。これは、日常業務にも通ずるものがあると思いますので、参考までに。
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1. 先を見越して動け
2. 自分の担当は自ら責任を持て
3. きれいになるまでやり通せ
4. 不確実なものはその場で質問をして把握せよ
5. 考えられることはすべて試し、確認せよ
6. 連絡も記録もすべて書きだせ
7. ミスを隠すな、仲間の教訓にもなる
8. システム全体を掌握せよ
9. 常に、先を意識せよ
10. 仲間を尊重し、信頼せよ
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先日、日米欧の宇宙団体では、宇宙で蓄積した安全管理・危機管理の技術を地上にどう応用できるかについて具体的に取り組む方針となったようです。この働きにより、原発や中国新幹線のような間違いが起きないシステム設計が定着することを願います。
本シンポジウムを通じて我々も安全管理・危機管理について、もっと学ぶべきと感じました。

(報告者:扇拓矢)

第16回有人ロケット研究会定例会開催報告

第16回有人ロケット研究会定例会を9/11に開催しました。8月に開催された能代宇宙イベントへの参加報告、簡易無重力指輪交換実験と今後の事業展開への考察、ロケットチームの活動報告、11月に開催される宇宙科学技術連合講演会で企画されている「商業有人宇宙飛行~宇宙産業の裾野拡大を目指して~」でディスカッションして欲しい内容の検討が行われました。その後の懇親会では有人宇宙をネタに楽しく語り合いました。今後、有人ロケット研究会として有人宇宙や宇宙旅行に対する提言もして行くべきとの意見も出されました。興味のある方は有人ロケット研究会にお問合せ下さい。