専門学校での宇宙開発概論講義

東京テクノロジーコミュニケーション専門学校に今年の4月から新たに設置された人工衛星工学専攻の授業科目「宇宙開発概論」の1コマを任されまして、6/28(土)に「生命維持と宇宙居住」の授業を行いました。内容としては、生命維持システム、閉鎖生態系生命維持システム(CELSS)、宇宙居住の場、テラフォーミング、恒星間有人探査、地球環境へのアプローチについての概要を講義しました。忘れ掛けていいること、記憶があやふやなことも多く準備にかなりの時間を要しましたが、この分野を総点検する良い機会になったと思います。また、学生からいろいろと質問が出て答えられなかったものもあるので、持ち帰り調査し回答しました。それらを反映してよりよい講義資料にし、来年も講義できればと思います。尚、この資料は社員教育にも使えそうです。今後もお声が掛かれば、他の分野の講義にも挑戦したいと思います。

日本大学理工学部航空宇宙工学科創設30周年

日本大学理工学部航空宇宙工学科創設30周年記念行事が6/21(土)に船橋キャンパスで行われました。その前身である機械工学科航空専修コース(1期生は1956年卒)、航空宇宙工学コースの卒業生の方々を含めて約300人が参集し、大盛況の会でした。記念式典ではGHクラフト社の櫻井氏より「都市型小型風力発電機の開発」、学科教授の宮崎先生より「超小型人工衛星を用いた大学での研究・教育のこれから」と題した講演が行なわれ、その後、施設見学なども行われ、最後は懇親会でした。懇親会では学生時代の思い出、同級生、先輩、後輩の近況、最近の航空宇宙業界など話は尽きず、あっという間に過ぎた1日となりました。次回は35周年となりますが、今年中に卒業生の会員管理システムが導入される予定なため、同窓会がもっと頻繁に行われるようになればと思います。

2008生態工学会年次大会のご案内

 6月19日(木)〜20日(金)に東京大学 弥生講堂にて私も理事をさせていただいている生態工学会主催の2008生態工学会年次大会が開催されます。オーガナイズドセッションとして「閉鎖型生態系実験施設での閉鎖居住実験をめ
ぐって」があり、環境科学技術研究所閉鎖型生態系実験施設を利用した閉鎖居住実験に関する発表を中心に、月面・火星基地での長期滞在を視野に入れた様々な研究内容の発表が行われます。私の出身研究室からも『マイクロコズムにおける複数種の消費者の関係が系に与える影響』『CELSS 運用スケジュールの作成 〜運用指針の抽出〜』『CEEF の物資循環系の設計にシミュレーションの果たした役割』の3件の発表が行われます。興味のある方は是非ご参加下さい。

MRP第9回勉強会及び平成20年度総会報告

 NPO法人有人ロケット研究会(MRP)の第9回勉強会と平成20年総会を6/21(土)に筑波大学で開催しました。宇宙観光旅行と民間宇宙開発、前回勉強会で実施したフューチャーサーチのフォロー状況、筑波大学宇宙工学研究会の紹介、X Prize Cupツアー、人材データベース、能代宇宙イベントでの展示についての発表と活発な意見交換が行われました。総会ではアイデアコンテストやチームの見直しについての議案が議決され、今年の事業計画を議決して無事幕を閉じました。日本製有人宇宙船と宇宙旅行の実現を目指した人達の交流の場としての役割を果たせたのではないかと思います。興味のある方は是非入会をご検討下さい。

準天頂衛星

現在、当社では準天頂衛星の地上システムの一部を開発しています。準天頂軌道とは、地球の自転と同じ周期で地球を回っているが、軌道が赤道面から傾いている軌道です。この軌道に軌道面を変えて複数の衛星を配置すると、日本から常に1機の衛星が天頂方向に見えるようになります。天頂方向にあると、日本全国どこの山やビルからでも衛星が常に見えることになります。この特徴を利用して、今までは山やビルの陰に隠れてGPSが利用できなかった地域でも、準天頂衛星を経由してGPSを利用することができるようになります。残念ながらまだ実験段階で1機の衛星しか打ち上げ予定が立っておりませんが、昨日成立した宇宙基本法により、実用化に向けて弾みが付くかもかもしれません。日本の宇宙開発の新たな実利用方法として発展することを願っています。