有人宇宙飛行が熱い

_ 第56会国際宇宙会議福岡大会にて10月18日に民間宇宙旅行に関するパネルディスカッションが有ります。Space Future Japanのコリンズ教授やX PRIZEのピーター・ディアマンデス氏、ライブドアの堀江社長がパネラーとなって居ます。16日にも堀江社長が宇宙旅行ビジネスへの本格参入を表明するようです。既にロシアの企業と提携し着々と準備を進めているとのこと。折りしも、ロシアがJAXAに新型有人宇宙船「クリーペル」開発への参加を打診しました。ISSで懲りたアメリカ/NASAが月・火星への有人宇宙飛行で一国主義に向かっているのと対照的にロシア、ヨーロッパ、日本は国際協力路線に進み始めています。そこに神舟6号の打上げを成功させた中国が加わって、三つ巴の争いになるのでしょうか? 良い意味での競争が行われれば、有人宇宙飛行技術の発展が促進されるので歓迎すべき状況ではないかと期待しています。

宇宙エレベーター

_ アメリカの会社が宇宙エレベーターの実験に成功したそうです(詳細はYahoo!ニュース参照)。宇宙エレベーターは軌道エレベーターとも呼ばれます。SFの世界では後者の方が有名ですね。これが実現出来れば、宇宙への物資・人の輸送コストを画期的に下げることが出来ます。航空宇宙工学科出身の人間としては、どうしても水平離着陸・完全再使用型のスペースプレーンに憧れてしまいますが、経済的には軌道エレベーターの方が遥かに安いでしょうし、環境面でもスペースプレーンが頻繁に行き来するようになると大気汚染の心配が有るので、軌道エレベーターの方に分が有ります。最も、実現性の面では、今のところスペースプレーンは近未来技術、軌道エレベーターは限りなくSFに近い存在なので、勝負になっていませんが。

宇宙用原子炉

_ NASAが宇宙用原子炉の開発に着手するようです。このような宇宙での原子力利用開発計画のことを「プロメテウス計画」と呼ぶようです。私は最初、記事を余り深く読まずに、原子力推進のことかとも思ったのですが、読売新聞の記事によると、逆に原子力推進は優先事項から外れたようです。つまり、宇宙ステーション、月面基地、火星基地等の発電用原子炉ということになります。大型宇宙船にも原子炉を積むかもしれませんが、これはあくまで発電用ということになります。実は日本でも超小型原子炉RAPIDなるものが研究開発されています。原子力は地球上では放射能汚染の心配が有りますが、宇宙では普通に放射線が飛び交っているので、ちゃんと防護出来ていれば、地球上ほど使用に敏感にならなくても良いメリットが有ると思います。

セントリフュージ(Centrifuge: 生命科学実験施設)

スペースシャトルと国際宇宙ステーションは誤りであったと、NASA長官がついに本音を暴露しました。これらの計画に携わってきた方々の事を考えると、何ともコメントのしようが有りません。ただ、一旦始まった巨大公共事業の間違いに気付いていても、途中で止めることも、誤りを認めることも出来ないことが多い日本に比べれば、遥かに勇気ある言動だなとも思います。
とにかく残念なのは、セントリフュージの中止です。今までにも、何度か中止になりそうになったことがあり、その都度、日本宇宙生物科学会等から建設要請活動をNASAに対して行っていました。セントリフュージは、限りなく無重量に近い宇宙において、重力を発生させて各種の生命科学実験等を実施できる設備です。とりわけ私が注目していたのは、6分の1Gの月面や3分の1Gの火星を模擬した実験を行なう事が出来るため、月面基地・火星基地建設のための技術を磨く上でも重要な設備だったことです。今回はかなり難しいとは思いますが、何とか復活はならないものでしょうか?

月へ再び

_ 最近、月の話題が盛り上がっています。NASAは2018年に人類を再び月に送る計画を発表しました。有人探査船(CEV)と、月着陸船の二つをそれぞれ別のロケットで打ち上げて、地球周回軌道上でドッキングさせて月を目指すこととなるようです。この二つの宇宙船には液化メタンを燃料としたエンジンが搭載されるのですが、それは将来の火星への有人飛行に向けて、火星の大気からメタンを抽出して燃料とすることを見据えているからだそうです。

一方では、スペースアドベンチャーズ社から、「DSEアルファ計画」と銘打った「民間人月世界旅行」(月の裏側への飛行)が発売されました。月面・火星基地に関する研究を行っていた私としましては、「いよいよここまで来たか」と言う感慨が有りますが、日本の現状を見ると、宇宙ステーションに「きぼう(JEM)」もまだドッキングされず、日本人を宇宙に上げる宇宙機も持っていません。是非、JAXAが発表した長期ビジョンが実行され、日本独自の有人宇宙技術が発展することを祈りたいです。