ミッション運用管理設備

_ 私は前の職場で地球観測衛星用ミッション運用管理設備の開発に長い間携わって来ました。この設備は地上設備では有るのですが、地球観測衛星のミッション機器(センサ、データレコーダ、送信機)に関する知識を必要とし、それらの運用計画を立案して、追跡管制システムに提出する役目を負っています。ミッション機器の運用計画を立案するためには、バス機器の制約条件を考慮しなければならないため、衛星全体の知識をも必要とする設備です。非常に面白い反面、追跡管制担当や衛星担当の方々との調整が非常に大変では有りました。しかしながら、この経験が自分自身のスキルアップと人脈作りに大きく貢献したと感じています。

更に言いますと、対象が地球観測衛星で有ったという点で、個人的にも地球環境問題に興味が有ったことから、非常に良い経験で有ったと感じています。これらの関連分野には引き続き携わって行きたいと考えています。

2005生態工学会年次大会参加報告

_ 2005生態工学会年次大会に参加して来ました。1日目は当社が関連している発表が3件有りました。当社は事務局の横にブースを開いており、そこにも居なければならなかったので、全ての発表は聞けなかったのですが、日本科学未来館の方から「社会が求めるミニ地球研究」と題する発表が有り、環境科学技術研究所の閉鎖型生態系実験施設が「環境(農業)」と「宇宙」を結ぶ存在であるとの意見が述べられていました。当社も宇宙と環境を2大テーマに掲げておりますので、非常に興味深い発表でした。2日目では、同施設の閉鎖居住実験の準備状況の発表が9件行われましたが、今回は「生命維持技術を取り巻くJAXA長期ビジョン」と題するセッションで5件の発表が有り、JEM以降の生命維持技術について活発な討論が交わされました。日本が誇れる生命維持技術として、どこをターゲットに研究開発を進めれば良いのか、現状の予算状況の中でそれを行っていくのは非常に厳しいことだと思われますが、是非頑張って推進して頂きたいと強く感じました。当社も閉鎖型生態系実験施設用挙動予測システム開発の一翼を担っており、積極的に貢献して行きたいと考えております。

GOSATシンポジウム

_ GOSATシンポジウムに参加して来ました。GOSATとはGreenhouse gasses Observing SATelliteの略で、温室効果ガス観測技術衛星のことです。地球環境問題の一つとして地球温暖化が叫ばれていますが、その原因は二酸化炭素(CO2)に代表される温暖化ガスの急激な増加にあります。日本でも最近異常気象が頻発するようになってきています。これも地球温暖化が原因の一つとの見方が有力です。昨年開催された第48回宇宙科学技術連合講演会で福井に行ったのですが、丁度福井集中豪雨の直後で、観光で朝倉氏館跡まで足を伸ばした際に、遺跡の一部が流されてしまった跡を目の当たりにしました。京都議定書をアメリカは批准しませんでしたが、アメリカもOCO(Orbiting Carbon Observatory)という衛星を打ち上げるとのことです。これらの衛星が、地球温暖化の進行状況を人類に明らかにし、温暖化ガス削減に向けた活動が活発になることを祈りたいと思います。当社としても、宇宙開発と地球環境問題の両方に深く関与するGOSAT開発に何らかの形で参画してみたいと考えております。

2005生態工学会年次大会

_ 生態工学会主催の2005生態工学会年次大会が6月4日(土)、6月5日(日)に大阪府立大学で開催されます。今回は会社を設立しての初参加となりますが、学会のご好意により、ブースを設けて頂くこととなりました。参加される方が居ましたら、是非お声を掛けて下さい。会社案内等をお配りし、会社の説明を詳しくさせて頂きたいと思います。(発表を聞いていて席を外していたら、ごめんなさい。)また、6月4日(土)18:00〜の懇親会にも出席予定ですので、お声を掛けて頂ければ幸いです。私自身の発表は有りませんが、共著者の発表が3件有りますので、そちらも聞いて頂ければ幸いです。

テラフォーミング

_ 「火星地球化計画」なる本を読みました。いわゆるテラフォーミングについて書かれています。火星有人探査も実現していない段階で、殆どSFの域を出ていない研究分野と言えるでしょう。私も大学院に在籍していたころ、自分自身も携わってみたかったテーマでした。後輩の修士の学生で研究を希望した人が居ましたが、さすがに指導教官から「修士のテーマとしては無理だ。」と言われて断念したのを思い出します。しかしながら、世界的にはかなり精力的に研究が進められているようです。

実現するにはとてつもなく膨大な時間が掛かりますが、その前にそもそも他の惑星の環境を変えてしまって良いのかという倫理的な問題も大きいです。地球環境の悪化を止められない人類が、他の惑星でも同じことを繰り返すのか、更にはもしその惑星に先住生物が棲んでいた場合に、彼らの棲みかを奪って良いのかと言う問題も有ります。実のところ、もっと身近な問題として、火星探査機が火星上に着陸した際に、地球の微生物が入り込み、繁殖して火星を汚染する可能性も捨て切れません。もちろん、その逆の危険(火星の細菌を持ち帰って、地球が汚染される)も有ります。日本宇宙生物科学会では時々この問題に触れられています。だからと言って、惑星探査を止めることは出来ないでしょうから、とにかく慎重を期して進めるしかないと言うことだと思います。