_ 環境科学技術研究所に閉鎖型生態系実験施設(CEEF:Closed Ecology Experiment Facilities)が有ります。アメリカのバイオスフェア2はご存知の方が多いと思いますが、CEEFは日本版バイオスフェアということになります。しかしながら大きく異なる点は、バイオスフェア2は自然の再生能力による物質循環に依存していましたが、CEEFでは物理化学装置で物質循環を制御します。地球は自然の力を借りて物質循環していることを考えると、バイオスフェア2の方がより良いもののように感じてしまいますが、空間を大規模なものにしなくては閉鎖系物質循環が維持できないということになります。すなわち、月面・火星基地のような限られた空間で閉鎖系を構成するためには、CEEF方式が必要となる訳です。NASAは現在、CEEF方式の研究を大々的には実施していないため、この分野では日本は世界一進んでいると考えても良いのではないでしょうか?
日本の宇宙開発技術が欧米と比べて遅れているとの厳しい見方の新聞記事について前の日記で触れましたが、閉鎖生態系生命維持システムのような隠れた最新技術が有ることにも目を向けて貰いたいと思う次第です。