日本宇宙生物科学会第21回大会参加報告

9月27日(木)にお茶の水女子大で開催された日本宇宙生物科学会第21回大会に参加して来ました。ここ最近は参加していなかったのですが、宇宙農業や火星農業に関する発表が多数有るため、参加することにしました。以下に興味深かった発表の内容を簡単にご紹介します。

火星は大気圧が地球と比べて0.75%しかありません。植物をできるだけ低圧の環境下で育てることが出来れば、火星大気中に豊富に存在する二酸化炭素から植物の光合成によって酸素を直接得ることが可能となります。食料となる植物でそれが出来れば、一石二鳥です。

火星表面全体が地球の砂漠同様不毛な土地であるため、人類が住むためには緑化していく必要があります。そのために火星を模擬したレゴリスに藍藻を導入した実験結果が示されていました。また、レゴリスそのものを植物が育つような腐食土に変えるための研究の発表も有りました。これらはテラフォーミングを視野に入れた非常に興味深い実験です。

更には、食料となり得る植物としてはどのような種類のものを栽培すれば良いのかについて、火星模擬レゴリスを用いてミヤコグサの栽培実験を行った結果が示されていました。

このような火星農業の試みは火星居住のみでなく、地球農業の再構築、地球環境問題解決にも寄与出来る可能性も秘めており、今後の研究の進展を見守って行きたいと思います。

宇宙農業サロン参加報告と宇宙生物科学会第21回大会案内

9月3日(月)に宇宙農業サロンに参加して来ました。

今回は5件の発表が有りました。発表の中で印象に残った内容を紹介したいと思います。

火星には安山岩が有り、金の鉱床が有るかもしれないそうです。農業を行う場合、土壌の微量元素が成長に大きく影響するので、火星の平原の土壌調査が必要なのですが、これまでの米国の探査機は火山に近い所を集中的に探査しているそうです。その背景には、資源を確保する狙いが有るのかもしれません。

火星の地下30cm〜60cmぐらいの所には氷の層があり、500m下には水が流れている可能性が高いそうです。水が有れば農業にとって好都合ですが、火星表面の土壌に水を如何に保持させるかが課題とのことです。ロシアは火星の土壌は積極的に利用せず、人工土を持って行くことを考えているようです。

9/27,28に日本宇宙生物科学会第21回大会が有ります。宇宙農業に関する発表も有りますので、興味のある方は是非ご参加下さい。私も参加を予定しております。

2007生態工学会年次大会報告

6/2-3に岐阜大学で開催された2007生態工学会年次大会に参加してきました。当社の関連では、宮嶋先生による「先端生命維持システム運用のためのスケジューリングアルゴリズムの開発」の発表が有りました。宇宙関連では、JAXA小口先生による宇宙用飲料水製造、山下先生による宇宙農業環境科学技術研究所閉鎖型生態系実験施設に関連する発表が有りました。水谷先生による特別講演「地球環境問題の解決に向けた地域の自立と生態工学」は非常に興味深いお話でした。是非、生体工学を通して地球環境問題の解決に貢献するべく当社でも検討を進めたいと思っています。最後になりますが、2007年度,2008年度の生態工学会理事に当社社長の広崎が就任しましたことを報告させていただきます。

生態工学会2006年年次大会参加報告

_ 6月10日、11日と福岡にて生態工学会2006年次大会に参加して来ました。今回はその前日に「若手の会」と称した懇親会が有り、若手とは言い難い方(精神年齢は若いと言うことか?)も含めまして、いろいろな方々とお話し、知り合うことが出来ました。大会の方は、財団法人環境科学技術研究所閉鎖型生態系実験施設に関する発表、オーガナイズドセッションとして「我が国の有人宇宙活動と閉鎖生態系技術」が有りました。JAXA総合技術研究本部の有人宇宙システム研究の方々、宇宙科学研究本部の山下先生の宇宙農業に関する発表がなされました。中でも木部先生の発表の中に昨今の宇宙旅行の進展に関する話題が出て来たのには少し驚いたと同時に、有り難くも感じました。現在鋭意活動中の有人ロケット研究会としても非常に励みになる発表でした。懇親会及び二次会にも参加し、大変有意義な出張となりました。

生態工学会年次大会開催案内

_ 2006生態工学会年次大会が6/10-11に九州大学で行われます。当社の関連では、共同研究者の宮嶋宏行助教授が「CEEF運用のための対話型スケジューラの開発」と題して発表します。私の発表は有りませんが、大会には参加しますし、懇親会も出席予定です。

最近、月面・火星基地に向けた長期宇宙滞在技術に関する関心が高まってきており、4/6には環境制御・生命維持技術に関するワークショプが行われたりと非常に面白い展開になってきています。