9月27日(木)にお茶の水女子大で開催された日本宇宙生物科学会第21回大会に参加して来ました。ここ最近は参加していなかったのですが、宇宙農業や火星農業に関する発表が多数有るため、参加することにしました。以下に興味深かった発表の内容を簡単にご紹介します。
火星は大気圧が地球と比べて0.75%しかありません。植物をできるだけ低圧の環境下で育てることが出来れば、火星大気中に豊富に存在する二酸化炭素から植物の光合成によって酸素を直接得ることが可能となります。食料となる植物でそれが出来れば、一石二鳥です。
火星表面全体が地球の砂漠同様不毛な土地であるため、人類が住むためには緑化していく必要があります。そのために火星を模擬したレゴリスに藍藻を導入した実験結果が示されていました。また、レゴリスそのものを植物が育つような腐食土に変えるための研究の発表も有りました。これらはテラフォーミングを視野に入れた非常に興味深い実験です。
更には、食料となり得る植物としてはどのような種類のものを栽培すれば良いのかについて、火星模擬レゴリスを用いてミヤコグサの栽培実験を行った結果が示されていました。
このような火星農業の試みは火星居住のみでなく、地球農業の再構築、地球環境問題解決にも寄与出来る可能性も秘めており、今後の研究の進展を見守って行きたいと思います。